1935年、最初の政令によってフランスにAOC法が制定されます。しかし、第二次世界大戦の間、ドイツによってアルザスが併合されたために、政府機関であるINAOとの協議が中断してしまいます。

終戦後、アルザスのワイン生産者協会によって作成された1945年の規定に基づき、アルザス産ワインのアペラシオンの定義が確定します。しかし、政令によってAOCとして正式に認定を受けるのは1962年のことです。

AOC アルザスとは、厳しく的確な地理的線引きにより規定された区画で栽培したブドウを既定の生産基準に準拠して造ったワインのことです。

AOC アルザスは、単一品種から造ることができます。この場合、そのブドウ品種名をラベルに記載することが出来ます。同様に、複数のブドウ品種をアサンブラージュ(混醸)して造ることもあり、その場合は「エーデルツヴィッカー」（Edelzwicker）と呼ばれています。

AOC アルザスのワインは「アルザス型のフルート瓶」と呼ばれる「ラン県産ワイン」特有のボトルを使用するとこが規定によって義務付けられています。1972年以降、生産地域での瓶詰めを行うことが義務となっています。

AOC アルザスのワインは、INAOの監督下、独立機関によって継続的な検査（ワインの五感に対する特性およびブドウ畑やワイン貯蔵室などの生産に関連するもの）を受けています。生産基準（cahier des charges）では、ブドウ畑やブドウ品種、収穫量、収穫時期などに関するブドウ栽培者としての義務を定義しています。

2011年10月以降、特別な個性を有し、より厳しい品質基準を遵守しているワインに対し、AOC名に加え次の地理的名称を記載することが認められています。

コミューン名

この名称は、品種や植栽密度、整枝・剪定の規則、仕立て方、ブドウの熟成度、収穫量などに関し、その他のアペラシオン規定よりもさらに厳格に定められた特別な生産規則に従っています。次の13の市町村または地域が厳密に区画分けされた対象であり、AOCアルザスのラベルに表示することができます：Bergheim、 Blienschwiller、 Côtes de Barr、Côte de Rouffach、Coteaux du Haut-Koenigsbourg、 Klevener de Heiligenstein、 Ottrott、Rodern、Saint-Hippolyte、Scherwiller、 Vallée Noble、Val Saint-Grégoire、Wolxheim

リュー・ディ名

コミューンよりもさらに厳格な生産規則を適用し、テロワールによる特別な個性が強調された品質のワインを識別するための名称です。
リュー・ディ名称を表記したワインは、ブドウ品種の果実味とテロワールの特徴であるミネラル性が混ざり合った、様々なニュアンスを表現します。

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コミューン名

この名称は、品種や植栽密度、整枝・剪定の規則、仕立て方、ブドウの熟成度、収穫量など、地方のアペラシオン規定よりもさらに厳格に定められた特別な生産基準に従っていることを意味します。

次の13の市町村または地域が厳格に区分けされた区画の対象であり、AOCアルザスのラベルに記載することができます。

• Blienschwiller
• Côtes de Barr
• Côte de Rouffach
• Klevener de Heiligenstein
• Saint Hippolyte
• Ottrott
• Rodern

• Vallée Noble
• Val Saint Grégoire
• Scherwiller
• Wolxheim
• Coteaux du Haut-Koenigsbourg
• Bergheim

リュー・ディ名

コミューンよりもさらに厳格な生産規則を適用し、テロワールによる独自性が強調された品質のワインを識別するための名称です。

これらリュー・ディ名称を掲げたワインはブドウ品種のフルーティーさとテロワールのミネラル性が混ざり合った、様々なニュアンスを表現します。