テロワールの特徴
ヘングストのグラン・クリュは力強く、複雑で、密度が高い味わいがあり、熟した酸味が特徴の余韻が広がります。年の経過と共に表現力が高まる長期熟成向きのワインです。
ブドウ品種やヴィンテージに関わらず、このようなタイプのワインを生産し続けることでヘングスト・グラン・クリュの生産者は、その名声を保ち続けているのです
リースリングは、熟した酸味による生き生きとした余韻につながる力強さを伴った、ミネラルの優れた複雑性を感じます。多くの場合は辛口、またはドライな味わいを楽しみます。
豊満でリッチ、力強く、密度が高いピノ・グリですが、リースリングと同じ酸味を余韻に感じます。
ゲヴュルツトラミネールとミュスカは並外れた複雑性、アロマ、豊満さ、力強さ、豊かさだけでなく、驚くほど爽やかな-ヘングストのテロワールが与える-余韻を有します。
年によっては、甘口、極甘口のワインを生産することが出来ます。「ヴァンダンジュ・タルディヴ」および「セレクション・ド・グラン・ノーブル」も、ヘングストらしい豊かさをより強く表現します。
このテロワールでは数十年前からピノ・ノワール(3.5%)が、力強く、複雑で、しっかりとしたストラクチュアの偉大な赤ワインを生み出しています。
グラン・クリュ・ヘングストは、生産者が土地の持つ雄馬のような力強さを手なずけることによって、あらゆる品種がその全ての表現することができる壮大なテロワールなのです。

個性的なワインを生む力強いテロワール
泥灰土土壌がもたらすボリューム感はおおらかでどっしりとしていますが、砂岩の入り混じったテロワールがワインに与える見事に溶け込んだ鋭い酸味と常にバランスが取れています。
ワインが持つ豊満で確固としたストラクチュアによって、それぞれの品種が、その味わいを存分に表現することが出来ます。
リースリングは包み込むような気品ある質感の中にきれいに造られた緊張感を備えています。これが飲む人に、生き生きとした印象を与えるのです。この印象は、凝縮感のある強烈な質感をもつピノ・グリやゲヴュルツトラミネールからも感じることが出来ます。しかし、この印象は口の中でミネラル感を同時に生み出し、余韻に残って広がるため、非常に飲み心地の良いワインとなります。
ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞
