ブドウ畑からワインへ

ブドウ畑での作業

Étape 1

成熟期

成熟期

8月中旬に開始し(ヴェレーゾン、果粒の色づきが始まる段階)、その後約45日間続きます。ブドウの糖度が上がるにつれ、酸度が下がります。9月中旬、日照を良くすることで病害を予防するため、ブドウの周囲に残る葉を取り除きます。

Étape 2

芽かき

芽かき

ブドウが実ることのない、幹から伸びてくる新芽を摘み取る作業の事です。これらの芽を取り除くことで、主要の芽のより良い成長を促します。

ブドウ畑の保護

病気や寄生虫を予防することで、ブドウの生産能力を最大限に維持することを目的としています。最も多く発生する病気として、うどんこ病(穂軸や果粒などに白色のカビが生じる)があります。これは大きくなるにつれ、果粒が徐々に破裂していく病害です。べと病はブドウの房を完全に乾燥させ、膨大な被害を与えます。葉に発生する場合もあり、葉の光合成が妨げられます。灰色カビ病は、果粒を灰色のカビで覆い寄生することで、ブドウに大きな被害を与えます。果粒の皮に穴をあけるハマキガの幼虫は、灰色カビ病の進行を助長します。 

現在では、これらの病気や寄生虫に対し、環境に配慮した病害虫予除技術が数多くの存在します。例えば、農薬使用を制限できる「セクシャル・コンフュージョン 」などがそうです。ブドウの木に設置したカプセルから、メスの蛾が発するフェロモンを放出させ、オスの蛾を惹きつけ攪乱させます。その結果、メスとの交尾を防ぎ、灰色カビ病のリスクが半減します。

ブドウの植苗

植苗は区画の構成によって、手作業または機械を使用して行われます。3月中旬から5月中旬にかけ植苗は土壌の状態によって行います。植苗する際には、地中深くが多少水分を含み、地上表面が乾燥している土壌が好ましいと言えます。使用する苗木は土に埋める台木と品種を決める穂木からなる接ぎ木と呼ばれるものです。これら2本の枝を機械を使ってつなぎ、温室に移して切り口の癒合、発根を促進させます。続いて、これらの苗木を1年間土に植えて育てた後に販売されます。

土壌環境の維持

現代の時好により、Enherbement Naturel Maîtrisé (ENM)と呼ばれる方法を採用しています。この技術では畑で自然の草花と共存させ、草花が約20cmの高さになったときに根を枯らさないで地上部だけを枯らすタイプの除草剤を使用、または草刈りをすることで雑草の繁殖を抑制します。これは、多種多様な草花の存在が土地を覆うことにより土壌の質と土地の保水力をしっかりと維持し、秋と冬に生じる硝酸塩の量を制限する役割を持つ自然の草花の利点を活用した技術です。

アルキュール仕立てとリアージュ(誘引)

2月中旬すぐに行われる作業。この作業により枝を垂直方向に均一に誘導することで、主枝に生える新芽の成長を促します。

Étape 7

収穫

収穫

各AOCの収穫開始日は、県令によって決定されます。開花期半ばから約100日後、ブドウが成熟し、糖度/酸度が最適なバランスに達した時が収穫の目安となります。クレマン・ダルザスに使われる品種が9月15日頃、最初に収穫されます。続いて、AOCアルザスおよびアルザス・グラン・クリュの品種。ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルに関しては、10月中旬に入って、やっと収穫を開始することができます。 

収穫はほぼ手摘みで行われ、1ヘクタールにつき250時間を要し、1日で1ヘクタールを収穫する場合は30人以上の人手が必要となります。収穫したブドウは、タンクまたは「ボティシュ」と呼ばれる容器に入れて醸造所まで運びます。圧搾する前に果粒を梗から分離させてから(クレマン、ヴァンダンジュ・タルディヴ、セレクション・ド・グラン・ノーブルは除く)圧搾機にかけて搾ります。

パリサージュ、ロニャージュ、エフイヤージュ

パリサージュとは、平行に張った2本のワイヤーの間に枝を固定することで、枝の向きを上方向に維持する作業です。パリサージュを行うことで成長した枝の先端を切り落とし、木の形を整えるロニャージュ(摘芯)と呼ばれる作業が簡単に行えるようになります。これらの作業は、5月中旬から7月にかけて行われ、近年では機械の導入が増加しています。その反対に、ブドウ周囲の葉を取り除くことで日照と風通しを良くし、灰色カビの発生を予防するエフイヤージュ(除葉)は手作業にて行われます。

剪定(せんてい)

ブドウの木の健やかな生育を促すためにアルザスで採用されている剪定法は、ギュイヨ・サンプルまたはギュイヨ・ドゥーブルと呼ばれる方法です。12月から3月、ブドウの木の休眠期、ブドウ栽培者は各主幹に長さにバラつきのある1本または2本の枝のみを残して剪定します。